舌下免疫療法とは
アレルゲンを含む治療薬を舌の下で数分間保持することで、アレルギー疾患を治療するアレルゲン免疫療法のひとつです。アレルゲン免疫療法は減感作療法とも呼ばれ、アレルギーの原因であるアレルゲンを少量から投与することで、体をアレルゲンに慣らし、アレルギー症状を和らげる治療法です。
アレルギー症状を治すことが出来たり、長期にわたり症状をおさえる可能性のある治療法です。
ダニアレルギー治療薬:ミティキュア(5歳以上から)
スギアレルギー治療薬:シダキュア(5歳以上から)
効果
くしゃみ、鼻水、鼻づまりの改善
涙目、目のかゆみの改善 アレルギー治療薬の減量
生活の質の改善 学力の向上 その他
ほぼ完治する方が20%程度、一定の効果がある方が60%程度、効果のない方が20%程度と報告されています。
- 初回は医療機関で服用し30分ほど経過を観察します。2日目からは自宅で毎日服用します。
- 妊娠中、授乳中も治療を続けることは可能です。
- 治療期間は3~5年が推奨されています。
- 2種類を同時に開始することは出来ませんが、開始時期を変えて、並行して治療を行うことは可能です。
- シダキュアの開始時期は6月~12月です。ミティキュアは一年中開始することができます。
- 効果は3か月程度で現れると言われていますが、個人差があります。
- 治療開始前に、血液検査などでアレルギーの確定診断をする必要があります。
内服方法
※内服前後2時間は運動、飲酒、入浴はできません
副作用
主な副作用
- 口の中の浮腫・腫れ、かゆみ、不快感、異常感
- 唇の腫れ
- のどの刺激感、不快感
- 耳のかゆみ など
重篤な副作用
- アナフィラキシー
(蕁麻疹、嘔吐・下痢、意識の混濁、息苦しさ、視野の狭窄、めまい など)
治療の受けられない方
- β遮断薬(高血圧の薬の一種)を内服している方
- 治療開始時に妊娠している方もしくは近いうちに
- 妊娠を希望している方
- 不安定な重症の喘息をお持ちの方
- ステロイド薬の内服(全身投与)もしくは抗がん剤などを使用している方※点鼻薬などは問題なし
- 免疫不全、自己免疫疾患、重い心臓の病気の方
治療開始前の心構え
- 長期間の治療を継続的に受けられる
- ミティキュア又はシダキュアの服用(舌の下に 1分間保持)を毎日継続できる
- 少なくとも1ヶ月に1度受診することができる
- 全ての患者さんに効果を示すわけではないことを理解の上、治療を始められる
- 効果があって終了した場合でも、その後効果が弱くなる可能性があることが理解できる
- 命に関わるアナフィラキシーショック(死亡例は国内で報告なし)などの副作用が起こる恐れがあることを理解でき、副作用が起きた時の対応が理解できる
- 服薬前後2時間は安静にする必要があります。(飲酒、運動、入浴などは控える)
※初回投与の際には、午前は11時まで、午後は17時までに来院してください。
以後お気をつけいただきたいこと
次のときは医師に相談してください
- 喘息の発作や症状が激しいとき
- 体調が著しく悪いとき
- 口の中に傷や炎症があるとき
- 抜歯などの口の中の手術や治療を行ったとき
- 服用を長期に中断した後、服用を再開するとき